創業100年を超える伝統が培ってきた木と紙にかかわる匠の技
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屏風について

屏風の歴史

屏風は、室内に立てて風を防ぎ、人目をさえぎり、なおかつ装飾する調度品の一つで、古くは奈良時代の東大寺献物帳に「御屏風 一白双」とあり、奈良の正倉院にも屏風が保存されています。

平安時代には宮廷の儀式に山水、花鳥、楼閣賢聖図などの屏風が使われ、桃山時代の大建築には装飾で権力誇示を兼ねた世界図、南蛮人風俗図屏風も出現しました。 江戸時代には遊郭をはじめ、富裕な町人の間にも流行し、大絵画の発表の機会にもなりました。近年、屏風は装飾調度品として茶会に供する風炉先屏風、枕元に置かれる枕屏風等々、さらには結婚式などの慶事に供する金屏風など、その用途も多様化し、生活に密着した調度品として広く尊重されています。

A:東大寺献物帳の画像
B:喜多川歌麿 三段娘_中品の図の画像,C:楊洲周延 千代田之大奥 お流れの画像
  1. 東大寺献物帳
    出典/国立国会図書館デジタルコレクション
    https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/993697
  2. 喜多川歌麿 三段娘_中品の図
    出典/ニューヨーク公立図書館デジタルコレクション
    https://digitalcollections.nypl.org/items/510d47da-4788-a3d9-e040-e00a18064a99
  3. 楊洲周延 千代田之大奥 お流れ
    出典/国立国会図書館デジタルコレクション
    https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1302644

屏風は元来、「しきる」「へだてる」といった機能性や画や書の表現方法のひとつのツールとして、その時々により空間の中へ登場してきたものです。また、広げれば数メーターにもなるも のが、二つ折り、三つ折り、四つ折りなどにたたんで片付けられる利便性も長く利用されてきた原因のひとつといえるでしょう。

屏風は、その構成する一枚を一扇(いっせん)といいます。四扇でできた屏風を四曲(よんきょく)屏風といい、一つの屏風は一隻(せき)と数えます。そして、一対(屏風が二隻)となるものを一双(そう)と呼びます。古来、屏風は二つで一組とされていたので、このように呼び表されるのです。

二曲半双

二曲半双

四曲半双

四曲半双

二曲一双

二曲一双

四曲一双

四曲一双

金彩屏風
金彩屏風
枕屏風
枕屏風
美術屏風
美術屏風

屏風の製作工程

長年の伝統と技術に裏づけされた「ものづくり」が新たな用途展開へ

本装屏風は天然素材である木と和紙を使い、熟練の職人の技術を駆使して作り上げる芸術品です。温度・湿度の変化にも狂わずに形をとどめ、数百年の時間を経て現存する屏風があることがそれを証明しています。当商店は、約1世紀の歴史の中で培った屏風製作の技術を現代の住空間に活かし、日常目にすることのできる優れたインテリア製品としての復活・普及を目指しています。

それとともに、近年では木の特性を知り尽くした優れた加工技術が自分だけの逸品を求めるお客様に支持され、近年では屏風などの調度品だけにとどまらず、スピーカーやプレーヤーケースなどの別注品へも力を注いでいます。

切り出し
❶ 切り出し天然木の材料を正確に切り出します。
骨組み
❷ 骨組み切り出した天然木を使い、骨組みをします。
糊づくり
❸ 糊づくり屏風に使用する糊を練ります。
その日の天候・気温・湿度によって、糊の水分量を変えます。
蝶番付け
❹ 蝶番付け屏風の命と言われる蝶番付け。
金具は使わずに和紙を使用し、互い違いに貼っていきます。
専用の道具を使い、蝶番の隙間を開け、下地同士を繋ぎます。
この隙間が非常に重要で、熟練の技が必要になります。
これにより屏風が両方に開くようになります。
表張り
❺ 表張り表張りする和紙に水を含ませます。
下地の縁にだけ糊を付けます。
和紙が乾いて縮むのを利用します。
蝶番の位置に沿って、表張りの和紙にも切り込みを入れます。
乾燥
❻ 乾燥屏風の寿命を左右する大切な作業。
その季節の温度・湿度によって乾かす時間が変わります。
仕上げ
❼ 仕上げ縁を打って、飾り金具を付けて完成です。

当商店は、屏風に限らずすべての商品を自社工場で生産しております。
普段目にすることのない屏風の製作工程を簡単にまとめた約5分間の紹介映像がございますので、ご覧くだされば幸いでございます。
商品一覧には、このようにして作られた屏風の他にも当商店の取扱い製品を多数ご紹介させていただいております。
また、製品に関するお問い合わせも歓迎しております。

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